原研哉の観光ビジョン「半島航空」構想
デザイナーの原研哉さんが提唱する、観光面におけるビジョンの一つに「半島航空」がある。
かつて海が交易の中心だった時代、半島というのは「アンテナ」だった。
半島の先には、栄えた頃の歴史を感じさせる町があり、景色も美しく、その場所には国内だけでなく、海外からの来客にとっても魅力的な観光素材がたくさん詰まっている。
しかし、残念ながら「半島」は、新幹線などで繋がれた都市間移動が中心の現代では、もっとも行きづらい場所になってしまっている。
そこで原研哉さんが掲げる大胆な構想が、日本列島の半島を、飛行機や飛行艇(水陸両用機)で繋ぐ、「半島航空」である。
画像 :『デザインノート〜原研哉特集〜』
たとえば、西回りと東回りに、二日で日本の半島を一周する航路ができれば、半島の先にある漁港は空港となり、半島を巡る、ということも今より遥かに容易になる。
それぞれの半島に上質なホテルや旅館などがあれば、海外観光客が利用する機会も増えるかもしれない。
この「半島航空」構想が本当に実現性を持っているかどうかは別としても、こうして自分の住んでいる地域をほんの少しだけ壮大な物語のように捉え、今までと違った視点で見直してみる、というのも面白い試みだと思う。
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