八木重吉と秋 / 詩

私は、友が無くては、耐へられぬのです。しかし、私には、ありません。この貧しい詩を、これを、読んでくださる方の胸へ捧げます。そして、私を、あなたの友にしてください。(『秋の瞳』序文) 八木重吉 詩人の八…

立原道造『眠りのほとりに』 / 詩

立原道造は、1914年に生まれ、1939年に24歳という若さで結核によって亡くなる夭折の詩人である。 詩人というだけでなく、東京帝国大の建築学科を卒業し、在学中には辰野賞を連続で受賞するなど建築家とし…

中原中也『玩具の賦』 / 詩

芸術と、お金、というのは、難しい問題であり、特に、詩的表現に関しては、つくっている最中にこのことがわずかでもよぎったら、決して純粋さは保てないのではないかと思う。 詩人の中原中也は、自身の詩論を綴った…

となふれば仏もわれもなかりけり

文章を書くとき、言葉を強く握りしめてしまうようなことがある。それは論理であったり描きたい風景であったりする。 正しく伝えたい、と思うほどに力みが生じる。 でも、もし優しく、そして精確に伝えようと思った…