ジョゼフ・ズブクビッチ / 絵

ズブクビッチの絵

ありふれている街の日常ではあるものの、不思議と引き込まれるような、水彩の絵。

作者は、ジョゼフ・ズブクビッチ(Joseph Zbukvic)という名前のクロアチアの画家だ。

ジョゼフ・ズブクビッチは、1952年生まれでクロアチアのザクレブ出身、オーストラリア在住の水彩画家として今も活躍している。

両親の要請もあり、ザクレブで教員を目指して文学を学んだものの、途中、自分の望みでコースを変更し、デザインの勉強を始める。

その後、水彩画に情熱を傾けるようになったズブクビッチは、数々の国際的な賞を受賞し、高い評価を受ける。

彼の絵は、繊細な水彩のタッチで、街の光景や牧歌的な風景が描かれている。

ズブクビッチの絵

Joseph Zbukvic

まるで水のなかを泳ぎながら、記憶の景色が流れていくような水彩の儚さが美しい絵である。

この儚さは、自然の景色よりも、むしろ都心を描いたときに、いっそう際立つように思える。

方丈記にある、川の流れにおいて語られる無常の、「世の中にある人とすみかと、またかくのごとし」という文章を、どこか連想させる。

以下、「水彩画」というものに関し、ズブクビッチは次のように語っている。

私は、鑑賞者と絵画のあいだの感情を視覚的に呼び起こす、色調、デザイン、色、雰囲気の調和のバランスを実現しようとしています。繊細で優しい効果を持つ水彩画というのは、この目的を成し遂げるために完璧な媒体です。

Joseph Zbukvic

彼が成し遂げたいと思っている調和のバランスには、繊細で優しい水彩画が向いている、とある。

確かに、一つの絵のなかに、描きたいと思っているのであろう世界観が、調和を持って描かれ、それゆえの心地よさがある。

画集は、少なくとも日本語版は販売していないようだ。展覧会も、調べる限りは見つからなかった。ズブクビッチ本人が描いている様子などを映した動画は、YouTubeにアップされている。

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