高橋元吉『なにもそうかたを……』

高橋元吉は明治に生まれ、昭和に亡くなった群馬県出身の詩人で、書店を営んでいた。 そんな元吉の詩のなかで、とても印象的な一節に、「咲いたら花だった    吹いたら風だった    それでいいではないか」が…

シンボルスカ『一目惚れ』

ポーランドの詩人で、1996年にノーベル文学賞を受賞しているヴィスワヴァ・シンボルスカ。彼女は、1923年に生まれ、2012年に、長らく住んだクラクフという古い都で亡くなった。 生涯でそれほど多くの作…

人は、一人一人では、いつも永久に、永久に孤独である

言葉と孤独は分かち難く結びついていると僕は思う。感情や風景を言葉で表現しようとすれば、実態とずれが生じる。 若い頃にダダイズムの影響を受け、その後、禅に傾倒した詩人の高橋新吉は、物を言い始めたことが人…

石原吉郎『位置』

石原吉郎は、戦後のシベリア抑留の経験や記憶が根底にある戦後詩の代表的な詩人で、僕はその存在を大学時代に行ったある作家の講演で初めて知った。 その講演のなかで、詩の形ではなかったものの、「私は告発しない…

八木重吉と、秋の詩

八木重吉は、明治に生まれた夭折の詩人で、自然や信仰に根ざした優しく繊細な詩を書いた。 教員をしながら詩作を行った重吉は、数多くの詩を残したものの、生前は『秋の瞳』という詩集が一冊刊行されたのみで、詩人…