宮沢賢治の絵

詩人の宮沢賢治は、自作の数点の絵を残している。絵はほとんどが水彩画で、幻想的な題材や、カンディンスキーのような抽象画風の作品もある。それぞれの絵には題名はなく、知られている名称は死後につけられた仮題の…

芥川龍之介の遺書と末期の目

作家の芥川龍之介が、自殺する自らの心理を解剖するように分析し、解説した文章として、遺書の『或旧友へ送る手記』がある。この遺書には、自殺の原因として芥川が表現した、「ただぼんやりした不安」というよく知ら…

尾形亀之助『花』

尾形亀之助という日本の戦前の詩人がいる。1900年に宮城県で生まれ、幼い頃から持病の喘息を抱えるなど決して体は頑強ではなく、42歳という若さで亡くなる。 直接の死因は分かっていないが、彼が日頃から口に…

山村暮鳥『自分は光をにぎっている』

ある一編の詩を主題にした映画がある。それは中川龍太郎監督の『わたしは光をにぎっている』という作品で、主題歌のカネコアヤノさんの『光の方へ』という歌も映画に馴染み、また、タイトルの由来になっている『自分…

神は細部に宿る、とは

有名な格言に、「神は細部に宿る」という言葉がある。英語では、God is in the details.と書く。この言葉は、芸術やデザインの世界を筆頭に、様々な分野で引用され、目にすることも多い。でも…