川瀬巴水の雪景色

川瀬巴水は、1883年に東京で生まれた浮世絵師、版画家で、衰退した浮世絵の再興のために、版元の渡邊庄三郎や、画家の吉田博らとともに新版画を確立した近代風景版画の第一人者でもある。 大正から昭和時代にか…

小村雪岱と装丁

大正から昭和初期にかけて活躍した画家の小村雪岱は、まず書籍のデザイン、すなわち装丁の世界で有名になった。 きっかけとなったのは、雪岱より14歳年長の作家、泉鏡花との出会いだった。 憧れの存在だった泉鏡…

小村雪岱の芸術論

小村雪岱は、装丁や挿絵といった受注作品が主で、本人の思想を表現した一般的な「芸術作品」というものは少なく、それゆえ、没後日本の美術史で取り上げられることもほとんどなかった。 今で言えば、デザイナーの側…

小村雪岱『おせん 傘』 / 絵

美しさと格好よさが同時に押し寄せ、一瞬で引き込まれる、小村雪岱の絵。 小村雪岱『おせん 傘』 1937年 この作品は、日本画家の小村雪岱の代表作の一つで、邦枝完二が、1933年(昭和8年)に新聞で連載…

小村雪岱と資生堂

大正から昭和初期にかけての日本画家で、挿絵やデザインなども手掛ける、現在で言うデザイナー的な側面もあった小村こむら雪岱せったい。 小村雪岱『おせん 傘』 1937年 大胆な余白と繊細な線が特徴の「雪岱…