きし夛句弥

SNSを見ていたら、きし夛句弥さんという画家の絵を見つけた。ぱっと見、読み方が分からず、不思議な名前だな、と思った。どうやら、「夛句弥」と書いて、「たくや」と読むようだ。

過去の展示会のプロフィールを見ると、大阪出身の日曜画家、とある。出身大学も、神戸大学の海事科学部という記載があるので、絵画やイラストレーションを専門に学んできたわけではないのかもしれない。

きしさんの絵は、可憐で無垢、まるで失われた楽園のような、花や蝶々とともに戯れる、妖精のような裸体の少女が多く、少女はよく目を瞑っている。夢を見ているのかもしれないし、どこか遠くの、まだ生まれる前の世界なのかもしれない。

きし夛句弥 – Twitter

この絵も、少女は目を閉じ、指先には、背景の世界と同化しているような模様の蝶々が留まっている。

竹久夢二や、夢二の影響を受けた東郷青児の絵の雰囲気も思い起こさせる。ただ、夢二の絵のような仄暗さや悲しみはなく、もっと原初的な世界を連想させる。

公表されている絵を見ていると、個々の絵にタイトルが記載されていることはあまりないものの、シリーズの名前のようなものはついているようだ。

たとえば、一つは kaleidoscopes とある。これは英語で、「万華鏡」や、「(万華鏡のように)千変万化する模様、場面」などを意味し、その言葉を思い浮かべながら絵を見ると、作品と題名が詩的に調和している。

作品は、展示会の他に、SNSでも頻繁に発表されている。画集に関しては、フランスのNOEVE社という出版社から『Art of TAKUYA KISHI – JEWEL BOX』が刊行され、また、中国の出版社「森雨漫」からも、画集「蝶之梦」が出版されている。

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