松尾芭蕉の最後の句

江戸時代の俳諧師で、『おくのほそ道』で知られる松尾芭蕉には、辞世の句とも称される、「旅に病んで夢は枯野をかけ廻めぐる」という句がある。 弟子たちの諍いの仲介のため、大阪に向かう旅に出た松尾芭蕉は、到着…

夏目漱石と「月が綺麗ですね」

作家の夏目漱石が、英語の「I love you」を、「愛している」ではなく、「月が綺麗ですね」と訳した、という話がある。これは英語教師をしていた頃の夏目漱石が、「I love you」を、「我君を愛す…

リルケの手紙

ライナー・マリア・リルケは、オーストリアの詩人で、1875年にプラハで生まれ、1926年に白血病によって51歳で亡くなった。 リルケは、手紙をよく書いた。そのなかでも、詩人志望の青年フランツ・カプスへ…

茨木のり子『みずうみ』

世の中が騒々しくなればなるほど(たとえば、それは情報化社会という側面によって)、「誰か」のために感情を揺さぶられる。 その「誰か」というのも、恋人や友人、家族といった身近な存在だけでなく、遠い遠い、知…